テレパシーが実現した件

ネズミによるテレパシー

実験用のネズミの例

 

皆さん,テレパシーやってみたことありますか?

 

道具を使わず,声も使わず,遠くにいる人と会話する

 

っていう,あの有名な超能力ですね.

勿論,皆さんが超能力者とか未来人なんかでないなら,実際にやったことありませんよね.

 

でも,そんなSFまがいな超能力が,科学的に実現しちゃったって研究が報告されているです.(元論文)

 

しかも,人と人のテレパシーではなく,ネズミからのテレパシーらしいです...

SFの世界もびっくりの技術ですね.

 

今日はこの動物からのテレパシーを実現したっていうぶっとんだ研究を,紹介しながら,この研究のどんなところが凄いのか,この研究が発展するとどんなことができるようになるのかを紹介します.

 

Youtube でも解説しているので,動画で見たい人はこちらをチェック!!

 

近い将来,動物の感情を読み取ったり心を通わせたり見ているもや聞いてるもの,感じているものすべてを共有することができるようになって,今以上のパートナーになっていくかもしれません.そんな未来に興味がある人は是非この記事を最後まで見てみてください.

 

ちなみに僕は,大学の博士課程で実際に脳科学の研究をしている,バーチャルサイエンティストの卵のRueです.

最先端の脳科学研究を面白く,分かりやすくお伝えします!

Brain Machine Interface

Brain Machine Interface

まず,皆さんにちょっと聞きたいのですが,

 

Rue
Brain Machine Interfaceって知ってますか?

 

僕の動画を何度か見てる人は知っているかもしれませんが,例えば,脳波を使って,機械やコンピュータを操作するって研究ですね.

 

では,

 

Rue
Brain to Brain Interface ってのは知ってますか?

Brain Machine Interface が,脳波を使ってコンピューターを操作するってことは...

 

Brain to Brain Interface脳波を使って他の人の脳を操作しようとする研究です.

 

操作といっても,感情や行動を完全にコントロールしようというものではなく,動作を使わず頭に思い浮かべるイメージだけで何かしらのメッセージを送るという,いわば,テレパシーを実現しようとするような研究が実施されてきてました.

 

 

そんな中,今回紹介する実験では,ただの人の脳から人の脳へのBrain to Brain Interface ではなく,動物からの情報を人の脳に転送するという,種族の壁を超えた実験に成功しているんです.

 

ねずみからのテレパシーの実験

実験用マウス

今回の実験の参加者は,動物側は脳の聴覚に関わる領域の下丘に電極を埋め込んだモルモット,ヒト側は人工内耳を装着した被験者でした.

 

人工内耳っていうのは,感覚入力型のBMIデバイスの一種で,難聴の人が手術して耳や脳に埋め込むことで,聴覚野の神経細胞に直接刺激を与えることで,音を感じ取れるようになるってデバイスです.

 

実際に行った実験は次の通り.

 

  1. モルモットに英単語を聞かせる
  2. 下丘の活動を埋め込んだ電極で記録
  3. 記録したデータを別室の人の人工内耳に転送
  4. モルモットが聞いた英単語を当てる

 

図で見てみるとこんな感じ...

 

ねずみがテレパシーする模式図

ネズミがテレパシーをしたって研究の模式図です.

 

情報の流れとしては,まず,英単語をモルモットの耳で聞いて,聴覚に関わる脳領域,下丘の活動を監視していた埋め込み型の電極で,英単語を聞いている時の脳活動を記録,その情報をヒトの人工内耳に送って聴覚野を刺激することで,モルモットの耳で聞いた言葉を人が知ることができたってわけです.

 

Rue
実験の英単語の正答率は,4択の中から1つの正解を選ぶ問題で,約35%という結果でした.

 

あんまり高くないと感じるかもしれませんが,少なくともランダムに選んだ時の25%は大きく超えているのでなんらかの特徴の差はあるのでしょう.

また,今回まったくトレーニングをしないでこの結果なので,電極の性能がアップしたり,トレーニングを施したりしたら,もっともっと良く聞き取れるようになると思います.

 

今後の未来

犬とパートナー

更にさらに科学が発展して,聴覚だけでなく視覚野や嗅覚も転送できるようになれば,ファンタジー小説やなろう系で出てくるビーストテイマーのように,動物と心を通わせて,動物の視覚に同調させて,辺りを見回ることができるようになる,なんていう夢物語のようなことを科学的に実現できるようになるわけです.

Rue
鳥の視覚と同調して索敵したり,犬の鼻で探し物をしたり,まさにビーストテイマー!!

 

動物とのテレパシーが実現するのであれば,勿論人対人のテレパシーも実現可能なわけです.

つまり,

  • 頭で考えたメッセージを直接相手の脳に送信
  • 目の前の風景を直接相手に転送
  • 言葉にできない感動や驚きをそのまま相手に転送

なんてことができちゃうわけです.

正直実用化はまだまだ先ですが,完成したら,すっごく便利でワクワクしてロマンあふれる技術じゃないですか?

これからも応援したい技術ですね.今後も要チェックです.

 

今後もこんな感じで最新の脳科学や役に立つ心理学の紹介を続けていくので,もし気に入った方は是非,Youtubeでチャンネル登録をして,次の記事,動画を見逃さないようにしてください♪

 

 

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事