大学の博士課程ってどんなとこ?
こんにちは,バーチャルサイエンティストの卵のRueです.
- 頭めっちゃいい人多そう
- 就職できないって聞いた
- ブラックな研究室も...
色んな憶測や噂話が飛び回っていますが,実際には,普段どんなところでどんな生活をしているのかってのはよく分かりませんよね.
そこで今日はいつもとはちょっぴり趣向を変えて,現役の博士課程の僕Rueが,自分の実体験を交えながら,博士の生活やいいところ,悪いところを包み隠さずに暴露しちゃいたいと思います.
って思う人は参考になるかなと思いますので,是非最後まで記事をご覧ください.
尚,今回話すのはあくまでも僕個人が,感じている範囲でのお話なので,全ての博士課程に当てはまるわけではないのであらかじめご了承ください.
また,僕が感じる博士課程をありのまま話そうと思うので,キラキラした博士生活とはちょっとほど遠いかもしれません.
その辺もよろしくお願いします.
- 現役の博士課程の学生で普段は脳科学の研究に従事
- 将来の夢はゲームの中に入り込む技術,フルダイブ技術の実現
- フルダイブの実現のためにも,皆さんに脳科学に興味を持ってもらいたい!
- ブログやYouTubeで最新の脳科学や役に立つ心理学情報を発信
YouTubeでも活動しているので,動画で情報を得たいって人はこちらからチェック♪
お品書き
さて,それじゃ今日は,博士課程の生の実体について次の順番でお話したいと思います.
- 博士課程とは
- 博士の生活
- 博士の良いところ,悪いところ
- 博士の向いてる人,向いてない人
ちなみに次回は皆さんも興味があるかもしれない,博士課程のお金事情についてお話する予定なので,気になる人はこちらも見てみてね.
博士課程とは
それじゃまずは,博士課程ってどんなところなのか説明します.
博士課程は大学を卒業することでもらえる学位の1つです.
大学に入ると,多くの場合,4年間で学部を卒業し,学士という学位をもらえます.
その上で,さらに大学院に進学し,研究者の卵として2年間研究活動に従事すると修士の学位をもらえます.
さらにさらにさらに,研究者としての道を突き進むため,3年間の研究をしてその成果が認められると,博士の学位を得られるってわけです.
つまり,大学に4年+2年+3年の合計9間通って,研究し続けた大学生が博士になるってわけですね.
そんな博士課程ですが,ただただ大学に通っていれば,博士を卒業できるのかというと,そんなことはないんです.
博士をとっている人というのは,世界的にも一人前の研究者だとみなされます.
つまり,博士を卒業をするためには,その人が,世界に通用する研究者であるかを厳しくチェックされちゃうってことなんです.
その為に,基本的には博士を卒業する為には国際学術雑誌に論文を投稿するってことは必須の条件になっています.
この辺りが,かなりシビアで,修士課程と博士課程では,卒業難易度が段違いなんですよね.
そんな訳なので,研究機材や実績,ノウハウをたくさん持っている有名大学の人や地頭の良い人が博士課程に進学する場合が多く,博士の人と話してると,頭の回転の速さと記憶力にびっくりします.
例えば,研究論文について話してると
博士の一日
そんな博士課程ですが,具体的にどんな生活をしているのか気になっちゃいませんか?
早速ですが,僕の1日のタイムスケジュールはこんな感じ!
まず,朝7時に日課の英会話のレッスンが入っていて,そのスカイプのコール音に起こされて目をさまします.
そのまま1時間英会話した後,シャワー浴びたり,朝ごはんを簡単に食べたりして,9時に研究室に到着します.
あとは,時々休憩をいれながら,論文読んだり,実験したり,データの解析したり,発表したり,発表聞いたり,研究について相談して〜ってしてるといつの間にか12時間くらい立ってるので帰る準備をします.
そのあとは基本フリータイムで夕ご飯を食べたり,12時までゲームしたり,アニメ見たりラノベ読んだりって感じの娯楽の時間を過ごしたり,ジムに行って運動してみたり,僕の場合は毎週土曜日に動画を投稿するって決めてるので,それに向けての原稿書きだったり動画編集を頑張ってます.
そして,12時,寝る1時間前になったら,記憶が捗る時間なので,1時になるか眠くなるまで本を読んでいます.
以上が,僕の平日の1日のタイムスケジュールって感じでした.
ちなみに土日は基本的に家で,動画を作ってたりしてるのですが,研究でやることが多い時は土日でも研究室で作業してます.
どうですか?
実は少し前まではもっと研究室に入り浸ってて,1日15時間オーバーみたいに,寝るためだけに家に帰るだとか,なんなら研究室に寝袋持ち込んでお泊まりするなんてこともしてたのですが,そのせいで体とメンタルを一回壊しちゃって今はこんな感じに落ち着いています.
他の博士課程のデータとしてはこんなものがありました.
一番右のグラフが博士課程の学生なのですが,半分以上は月に300時間オーバー...
僕のさっきのタイムスケジュールが月240時間ペースくらいなので,更に60時間以上を研究に割り振らないといけないんですよね.
ぶっちゃけかなり過酷ではあると思います.
特に生物系の人は,微生物を数日間培養して数時間おきに観察する実験とかしてる人は,実験中全然寝れずとても辛いって聞いたことあります.
情報系の人や理論系の人は自前のPCさえあればどこでも研究できるって人もいますが,僕は人を対象とした実験をしてるのでどうしても研究室に行って人を呼んで実験して,ってしなくちゃなので大変です.
分野によるので一概には言えませんが,このデータからも分かる通り,博士に進学するといわゆるブラック企業並の忙しさは覚悟したほうが良いかもしれませんね.
博士のいいところ・悪いところ
ってことで,博士課程の生活をぶっちゃけてみたところで,博士課程の良いところ悪いところをお話していきます.
博士課程の良いところ
まずは,良いところから.
さっきのデータを見ての通り,基本的に博士課程は研究時間の拘束が非常に長いです.
それは,裏を返せば丸一日中自分の研究のことばっかり考えていられるってことになります.
大学生なんだし,授業とかないの?って思う人もいるかもしれませんが,多くの場合,博士課程では授業はほとんどありません.場合よっては,他の研究室のゼミに混ざらないといけいけないとか,インターンシップに行かないといけない,みたいな単位が必要な場合がありますが,講義形式の授業はほぼ0だと思います.
自分の研究が好きで好きでたまらないって人にとっては最高の環境ですね.
自分の研究をしている時間が一番楽しいって思える人は,博士課程,間違いなく向いてると思います.
また,博士は自分の裁量がとても大きく,自由に物事を進められる場合が多いです.
ボスに認められる範囲で自由に研究テーマを設定でき,自由な順序で自由に研究しちゃうことが可能です.
博士課程ではまだこの世にない,全く新しいものを生み出そうとしているため,いわゆるマニュアルのようなものは取り決められておらず,実験の考案から実験方法,解析方法まで手探りの状況で研究が始まります.
まさしく,自分が歩いたところが道になっていくんですね.
勿論,最低限必要な作法などはありますが,自分の裁量でできることがとても大きいので,自分から積極的に新しいことにチャレンジしたい人にとっては最高の環境かもしれません.
また,博士は研究職にとってのライセンスのようなもの.
将来,研究職に就きたいって考えている人にとっては,博士は大きな意味を持ちます.
博士は,一人前の研究者だと世界に認められた証ですので,研究者として生きていく上では,重要視される場合があります.分野によっては,博士をとっていないだけで,話すら聞いてもらえないというところもあるようなので,将来研究職について,研究していきたいって考えている人は,博士を取得したほうがいいかもしれませんね.
あとは,正真正銘世界初を実際に作れるってことの達成感だったり,博士を持っていると外国での待遇が若干よくなったりするところはあると思います.
博士課程の悪いところ
それでは,次は悪いところ.
研究を労働と考えると非常に環境が悪い.
もし,自分でやっている研究が好きじゃなくなくて楽しめず,どうしても労働だと感じてしまう場合,博士の待遇というのは非常に劣悪だと言わざるを得ないかもしれません.
同世代の学部や修士で卒業した人は,定時で帰って,美味し物食べて,高価な車を買ったり,時計を買ったりってしているのに対して,博士の学生は,年間50万円以上の授業料をこちらから支払って,奨学金という名の借金をしながらギリギリを生活しているのに,仕事内容は超ドブラック.
自分の研究を好きになれない,楽しくないって感じちゃう人は博士まで残らず,修士で就職したほうが良いかもしれません.
他にも博士では自分で考えないといけない点が多いというのも大変なところです.
例えば,多くのお仕事なんかは,決められたマニュアルの通りだったり,先輩のいうとおりに仕事をしていると,仕事をこなせて,評価してもらえます.
しかし,博士課程では,他の誰もがやったことが無いことを,自分で実践して,論文としてまとめることで初めて一人前の研究者として認められて卒業できるので,マニュアルみたいなものはありません.
自分でゴールまでの筋道を立てて研究計画を立てて,それを実際に実践出来る人じゃないと,博士の取得は大変な道のりになると思います.
博士に向いている人・向いていない人
ってことで,これまでのお話をまとめて,博士に向いている人,向いていない人を発表しちゃいましょう.
まず,博士に向いている人.
これはなんといっても,研究のことが一番好きな人.
博士課程では,一日のほとんどの時間を研究に使うので,当然それを楽しみながら出来る人は間違いなく強いです.
研究が一番楽しいと感じる人にとっては,研究に没頭できる最高の環境だと思うので是非,博士を目指してみてください.
一方で,やってて一番楽しいと感じることが研究以外,例えば,ゲームとかアニメとか読書とか,そんな人は博士課程に進学すると大変な思いをすることがあるかもしれません.
一日のほとんどを研究に使うわけなので,ぶっちゃけ,自分が本当にやりたいことをやる暇がほとんどありません.
基本的に,普通の企業に就職した方が時間はあると思いますので,博士までいかず,修士までで就職した方がいいかもしれません.
それでも博士を取りたいって,思う人は,なぜ博士を取りたいのか,博士を取ることで自分の人生がどう変わるのかを明確にして,それを意識することで,モチベーションを保ち続けられると思いますので,一度自分自身と相談してみてください.
あとは,博士に向いている人の特徴は,自分から主体的に考えてそれを実践できる人.
やっぱり,世界でまだ誰もやったこともない,マニュアルなんて存在しない道を一人で突き進むわけなので,誰に言われなくても色んな方法を模索して試してみることが出来る人が博士には向いていると思います.
一方で,指示されないと何もできない人だと,マニュアルのない世界に放り出されちゃったときに,何をすればよいのか分からなくなっちゃうので,あんまり博士課程をおすすめできないかもしれません.
なので,生半可な気持ちで進学しちゃうと挫折しかねません.
進学を迷っている人は,是非,周りの博士の人,進学先の先輩に話を聞いて,本当に自分は博士に向いているかを確認しても良いかもしれません.
まとめ
ってことで今日は,現役博士課程のリアルな声をお届けしてみましたが如何だったでしょうか.
普段,博士博士って聞きはするけど,リアルな現場の声を聞いてみてどんな場所だと感じましたか?
是非コメントで教えてください.
さて,次回はこんな博士課程の金銭事情についてお話してみようと思います.
授業料払って,奨学金を借金してって感じの博士課程ですが,実は様々な補助金の制度があったりします.
博士の学生がどのように支援を受けて生活しているのか,気になる人は是非チェックしてみてください.
それでは今日はこの辺で,また次回の記事でお会いしましょう.
バイバーイ.