驚異の科学技術プロジェクト 「ムーンショット」
こんにちは,バーチャルサイエンティストの卵のRueです.
皆さん,アニメやゲームに出てくる,
って思いませんか?
僕も,ゲームの中に入り込む技術,フルダイブ技術に憧れて脳科学者の卵になっちゃうくらいには,脳活動を使っての仮想世界での生活を夢見ていますが,現実の技術レベルではなかなか再現ができず,その実現は夢のまた夢のSF技術に思えますよね.
しかし,最近始まった,とある日本の研究プロジェクトが,仮想空間での生活の実現に大きく近づこうとしています.
その名は,ムーンショットプロジェクト.
ムーンショットプロジェクトは,
することを掲げていて,その中でも「IoB」と呼ばれるプロジェクトでは、よくよくその研究計画を見てみると,脳科学の最先端技術を使って,フルダイブの実現に近づくような研究を実施しているみたいなんです.
今日はこのとっても挑戦的な研究の実現を,最新の脳科学技術によって目指しているムーンショットIoBに関して,脳科学者の卵の僕Rueが徹底的に解説しちゃいたいと思います.
- 現役の博士課程の学生で普段は脳科学の研究に従事
- 将来の夢はゲームの中に入り込む技術,フルダイブ技術の実現
- フルダイブの実現のためにも,皆さんに脳科学に興味を持ってもらいたい!
- ブログやYouTubeで最新の脳科学や役に立つ心理学情報を発信
なんて活動をしてます!
YouTubeでも活動しているので,動画で情報を得たいって人はこちらからチェック♪
サイバネティックアバター
今日紹介するのは,ムーンショットIoBについて.
ところでIoBって一体なんのことなんでしょう?
皆さん,最近流行りのIoT, Internet of Things という言葉は聞いた事あるかもしれませんね.
例えば,電気とか,スピーカーなどの家電製品とインターネットで結んで,音声でオンオフを切り替えたりみたいな技術ですね.
IoBとは,IoTの家電製品の代わりに,Brain つまり脳とインターネットを接続して豊かな生活を送れるようにしようという取り組みです.
ムーンショットIoBでは,この脳とインターネットを接続する方法を開発することによって,
を目標としています.
すっごく挑戦的な研究目標でとっても難しそうに思えるのですが,身体や脳・空間や時間の制約からの解放って具体的にどうしたら実現できるのでしょうか.
実は,この研究を達成するために重要なキーワードが1つあります.
それは...
サイバネティック・アバターとは,現実の自分の身体の代わりに,動作できるロボットのようなもの,つまり,アバターで,そのアバターを通して現実世界で作業をしたり,逆にアバターで感じたものを自分の感覚として感じられる,そんな存在です.
このサイバネティック・アバターが存在する未来というのはどんなものなんでしょうか.想像してみましょう.
例えば,朝早く目が覚めて「朝日を見てみたいな」って思ったら,家のベッドから,富士山の頂上に待機させたアバターに乗り移って,日の出を見て,
しばらくすると,スキーをしたい気分になったから,雪山のアバターに乗り移って,スキーを楽しんで,
またまたしばらくすると,今度は海で泳ぎたい気分になったから,南国のアバターに乗り移ってダイビングを楽しむ.
夜になったら仮想空間で開催される音楽ライブに自分のアバターで参加して,現実で音楽ライブを楽しむのと同等以上の臨場感・没入感で楽しめる.
このように,現実空間や仮想空間において,複数のアバターを自分の現実の身体と同じように操ることで,現実では体験できないほどの密度で様々な体験が出来るようになるんです.
そんな,時間や空間,身体や脳の制約から解放されることを目標とするムーンショットプロジェクトですが,やっぱり個人的に気になるのはIoBで研究開発をしている”脳”の制約からの解放!!
脳の制約からの解放とはいったいどうやって,そしてどんなことが出来るようになるのでしょうか.
っていうことで,今回,最新脳科学研究のアプローチで,’脳の制約からの解放を目指す’研究チームについて詳しく調査してみました.
ムーンショットIoBの詳細
まずは,ムーンショットIoBのプロジェクトマネージャーの金井さんについて!この人とってもすごい人なんです!!
元々攻殻機動隊のような電脳世界を作りたいって思って,人の意識について研究する研究者さんだったのですが,「もっと一般社会に影響を与えて,電脳世界の実現を加速させたい」,と考え,自分で会社を設立して,社会に大きなインパクトを与えられるよう活動している,ベンチャーサイエンティストなんです.
そんな研究者として,そして起業家としての2つの顔を持つ金井さんが,ムーンショットIoBのプロジェクトマネージャーになったわけなので,この研究開発プロジェクトでは,学術面での影響は勿論,一般社会への影響も大きく及ぼすような研究計画を立てています.
例えば,スマホのカメラや今市場に出回っている簡易脳波計を使って,一般の人の体調管理や,新しい技術の習得のための補助アプリケーションを来年までにリリースしようとしていたり,将来的には,徐々に体を動かせなくなってしまう病気,ALS(筋萎縮性側索硬化症)などによって,会話が難しくなってしまった患者さんと,コミュニケーションを実現する研究だったり,どれも科学的に意味があるだけでなく,一般社会で生きている私たちでも,直接その研究成果を受け取ることができる.
そんな研究をデザインしているんです.
また,このムーンショットIoBが実現すると,社会のあり方が,がらりと変わる大きなプロジェクトなので,一般の人がこれらの技術を正しく認識して使いこなせる社会を作れるよう,情報発信にも大きく力を入れています.
その一環として,脳活動を読み取ってコンピュータを操作する技術,Brain Machine Interface技術に関してのガイドラインを策定して,いわゆる似非科学を排除し,正確で,誠実な科学を実現しようとしていたり.
あとは,僕みたいな発信者に声をかけてもらって,皆さんにムーンショットプロジェクトについての理解を深めてもらったり.
(※以前ムーンショット紹介動画の作成依頼を運営さんからお願いされました笑)
これはとっても応援のしがいのある研究ですね♪
ムーンショットIoBの今後
さて,ここまで,この研究プロジェクトの全体像について話してきましたが,具体的には,どんな研究を実施していくのでしょうか.
ムーンショットIoBは大きく分けて2つの研究テーマの実現に取り組んでいます.
1つは,Brain Assistant.これは,例えば,自分の脳活動や筋肉の電気信号から,情報を読み取って,その日の集中力を予測したり,新しく楽器の操作を覚えるのに,その人個人に最適なレッスンを作ってみたり,など,脳情報を利用して私たち一般人の生活をより便利で豊かにするAIを作ろうとする研究です.
もう1つは,Think Communication.これは文字通り考えただけで相手に情報を伝えることができる,テレパシーのような技術です.例えば,ALSの患者さんなど,身体が動かせなくなって会話することも難しくなってしまった人とでもコミュニケーションが可能になる技術を作ろうとしています.
どちらもSFチックでロマン溢れる,だけど実現が難しそうな研究ですが,ムーンショットIoBは,この2つの研究をここ数年以内に達成させようとしているんです.
これ以上詳しく説明しちゃうとこの記事が長くなっちゃうので,別の記事でそれぞれ詳しく紹介しますね♪
まとめ
っていうことで,今回は,
することを目標としている,ムーンショットIoBを紹介してみました.
科学的なインパクトだけでなく,社会へのインパクトも考慮した研究なんて,なかなか無いので,早く実現して,一般社会で実際に使ってみたいですよね.
次回の記事は,いよいよ,このムーンショットIoBの研究目標の1つ,Brain Assistantについて紹介します.
楽器やスポーツなどの新しい技能を覚えるのに最適な方法を脳科学的に提案してくれる,Brain Assistant,その具体的な性能や出来るようになること,ムーンショットIoBからのアプリとしての配信計画など,面白い内容盛りだくさんなので,是非次回の記事も忘れずにチェックしてみてください.
それでは今日はこの辺で,また次回の記事でお会いしましょう.
ばいばーい